香港GC、エデンコース
The Hong Kong Golf Club - Eden Course
香港高爾夫倶樂部、伊甸

コースデータ
所在地 中国、香港
コース長 6060ヤード、パー70
コースレート 70.5
プレー日 2007年7月15日、2010年4月8日
設計者 トムソン、ウォルバーリッジ
オープン 1970年
キャディ あり
ゴルフカート あり (フェアウェイ乗り入れ可)
評価
総合評価
4.05
コースレイアウト
4
難易度
3
グリーンコンディション
5
フェアウェイコンディション
4
造形美、景観
4
クラブハウス

このクラブには18ホールが3コース(他にオールドコースニューコース)あり、このエデンコースはパー70にして6060ヤードはすこし短いが、フェアウェイ幅の狭さに加え、フェアウェイの両サイドにある木々が、多くのホールでティショット時のプレッシャーとなっている。パー5は全て少し平凡だが、パー3のいくつかのホールはすばらしく、印象に残った。

7番ティからの景観

16番ホールの景観

スコアカード
 
1番 パー5 468ヤード
フェアウェイはタイトで、しかも大きな木々がフェアウェイ両サイドを固め、ミスショットにはぺナルティを払う設計である。 フェアウェイの左サイドにティショットが行くと、セカンドショットでは前方で迫り出している木々がスタイミーになり、ドローボールを打たなければグリーンに近づかない。その時ドローがかからずまっすぐ飛ぶと、グリーン右手前の池に捕まる可能性が高い。 レイアウトはすばらしいが、パー5では距離が短すぎるのが欠点。プロのトーナメントではパー4で、フロントティを使い30ヤード程短くしている。このホールをパー4にすればチャレンジングで完成度の高いホールになる。
 
1番 パー5 468ヤード
1番 パー5 468ヤード(3)
4番 パー4 428ヤード
1番 パー5 468ヤード(2)
4番 パー4 428ヤード
1番 パー5 468ヤード(1)
 
4番 パー4 428ヤード
4番 パー4 428ヤード
4番 パー4 428ヤード (2)
4番 パー4 428ヤード
4番 パー4 428ヤード (1)
ティショットは谷越えになる距離の長いパー4。セカンドショットから打ち下ろしのため、ピンが見えないブラインドホールが欠点だが、すばらしい景観を持っている。グリーン左はバンカー、右は崖になっているので、正確なセカンドショットが必要。このホールはオリジナル設計ではないが、すばらしい立地を選んで造られていて、ティグランドからの景色は雄大で開放感がある。
 
5番 パー3 148ヤード
5番 パー3 148ヤード
5番 パー3 148ヤード
打ち下ろし、谷越えのパー3。 グリーンは横に細長い2段グリーンで、特にピンが左側の時、グリーン手前と横の深いバンカーが効いている。このホールもオリジナル設計ではないが、グリーン周りは自然の木々で囲まれていて、独特な表情を持っている。現在のままでもすばらしいが、あと30ヤードほど距離が長ければチャレンジングな最高級のパー3になったと思う。
 
9番 パー3 192ヤード
9番 パー3 192ヤード
9番 パー3 192ヤード
一見簡単に見えるが、実は難しいショートホール。砲台グリーンの左はバンカーで、グリーン手前と右側のスロープがきつい。特にグリーン右側手前にショートすると、傾斜でバンカーまで転がり落ちる場合が多く、このバンカーからはパーセイブは難しい。
 
13番 パー4 410ヤード
13番 パー4 410ヤード
13番 パー4 410ヤード (2)
13番 パー4 410ヤード
13番 パー4 410ヤード (1)
きつい左ドッグレッグで面白いレイアウトのパー4。フェアウェイ左側に位置する木々のすぐ横はOBで、フェアウェイ右側にまっすぐ飛んでも、距離が出るとフェアウェイ右サイドにある木々まで行き、OBとなる。ドライバー、3ウッドなどドローでティショットが打てれば攻略しやすい。横に細長いグリーンは5ヤードほど砲台になっている。
 
15番 パー3 200ヤード
15番 パー3 200ヤード
15番 パー3 200ヤード
きつい打ち下ろしのパー3。打ち下ろしだけでなく、向かい風がいつも強いだけに、正しいクラブの選択が非常に重要。グリーン右は池で、左はバンカー。
 
18番 パー4 410ヤード
タイトなフェアウェイの両側は、立派な木々が聳え立つ。セカンドショットは池越えの打ち下ろしになり、グリーン手前のバンカーが効いている。フェアウェイを歩いていると、突然現れるグリーンと、そのグリーン周辺の景観はとても美しい。このホールはアメリカのゴルフマガジン誌にて2000年度世界のベスト500ホールに選ばれている。
 
1番 パー5 468ヤード
グリーンから望む18番ホール
4番 パー4 428ヤード
18番 パー4 410ヤード(2)
4番 パー4 428ヤード
18番 パー4 410ヤード(1)
 
余談

ビジターは平日プレー可、土日不可。香港には5つのゴルフコースがあるが、その中で最も伝統があり格式が高い。

年1回の香港オープン時には有名なゴルファーを世界中から何人か招待するのだが、3コースあるなかで、このエデンコースとニューコース2コースの各18ホールの中から、ベストな組み合わせの18ホールをクラブ側が選び、すばらしいレイアウトのゴルフコースになる。もしこのコースをプレー出来れば、私の私見でのコースレイアウト評価は満点の5に近い数字になるだろう。



メンバーラウンジ

レストラン

プール

キャディを選ぶ場合にA、B、Cレベルと値段が違うのも特徴。Cだと、ただバッグを担いで、バンカーを均らしてボールを拭く程度。Bはそのうえに各ショットの落としどころをしっかり見て、時々パットのラインもアドバイスしてくれる。Aになると、研修生かそれに近いゴルフの技量を持っていて、各ホールの攻略法やグリーンの読みなどを熟知している。キャディは各プレーヤーに一人のキャディが付き、Aだと3800円、Cだと2500円ぐらい。

1980年頃からこのエデンコースを知っている友人が言うところによると、1980年代後半に、香港GCが香港ジョッキークラブのためにエデンコースの4ホール分の土地を提供して、新たに現在の3番から6番をクラブ側が違う土地に作ったようだ。ちなみに以前の土地は乗馬場になったそうだ。彼は昔のオリジナルな設計の方が風情があり、良かったと主張している。私は以前のそれらのホールはプレーしたことがないので知らないが、新しい造られた4ホールの内、現在の3番、6番は少し無理して造られているが4番、5番はすばらしいホールだと思う。

2001年の香港オープンではホセ・マリア・オラサバルが最終ホールでバーディを取り、1打差で優勝したが、その優勝を呼び込んだホールはエデンの18番である。ティショットは全くミスショットで少しスライスして右サイドのラフに行き、ピンまで残り140ヤードだが少しつま先下がりで、しかもラフからなのでフライヤーを計算にいれなければならない状況であった。さらに前方には大きな立派な木が立ちはだかり、プロでもその上を越えるのは難しい場面だった。しかし彼のアイアンショットはその木を越えただけでなく、ピン手前50センチに落ちてランがなくそのまま止まったようだ。これはトッププロのすばらしい技術の1つであろうが、大事な場面でそのショットができるオラサバルの精神力、集中力には非常に驚愕した。

ピーター・トムソン(トムソン、ウォルバーリッジ、ペレット)設計の他のアジアでのコースは、香港ではクリアウォーターベイG&CC(再設計)、シンガポールではタナメラCC・ガーデンコース、日本では南部富士CC、廣済堂トムソンCC、ぜんCC、トムソンナショナルCC、スリーレイクスCC、中国の北京リンクス(北京北辰)GC、北京窑上(北京ヤオシャン)GC、上海銀濤(上海ゴルフキング)GC上海濱海GC、長沙青竹個GC、金海湾国際GC、タイではグリーンウッドGCロイヤルチェンマイGRラヨン・グリーンバレーCC、インドネシアではジャコラヴィG&CCバリハンダラ廣済堂CCロンボックゴルフ廣済堂グヌングリスCCフィナG&CCムラピG&MR、アナイGR、マレーシアではクラブ・ゴルフ・サルタン・アブドゥル・アジス・シャ(KGSASS)がある。