モルフォンテーヌ ゴルフクラブ、グラン・パルクールコース
Morfontaine Golf Club (Grand Parcours Course)

コースデータ
所在地 フランス、パリ
コース長 6640ヤード パー70
コースレート 72.5
プレー日 2018年9月27日
設計者 トム・シンプソン
再設計者 カイル・フィリップス
オープン 1927年
キャディ なし
ゴルフカート あり
評価
総合評価
5.35
コースレイアウト
6
難易度
4
グリーンコンディション
5
フェアウェイコンディション
5
造形美、景観
5
満足度
6

パリ奥座敷にある隠れ家的な森の中のクラシックなヒースランドコース。1927年当初はオーナーの公爵が仲間とプレーを楽しむ私的な施設だったが、3年後に会員制に移行した。1914年オープンの9ホールの素晴らしいヴァリエールコース(フランスでのベスト第19位)もある。成熟して美しい松にFWが縁取られ、流れるようにホールが進んで行く。ウォータ―ハザードは無いが、バンカーの形状と配置が芸術的かつ優れていて、ヘザーがFW幅を狭めグリーン周りを難しくしている。グリーンは大きいが、微妙な輪郭が付けられて、フォールス・フロントのグリーンもあり、バンカーでしっかりガードされている。フランスのコースでは珍しいぐらいヘザーが至る所で生い茂り、ロンドン郊外の名門ヒースランドコース、スウィンリーフォレスト、サニングデール、セントジョージズヒルを彷彿させ、色合いが似ているが、それらのコースと比べて静寂の中で森林浴を楽しみながらプレーできる。2005年と2009年にカイル・フィリップが3,5,6,10,12,14番ホールを修復・改良した。



クラブハウスからの景観


2番グリーン

3番、パー4、セカンド地点

モルフォンテーヌが特に優れているのは、ホールのバランス、つまりティからグリーンまでのFW、ヘザー、左右の松林が狭からず広からずで、全てのホールでバランスよく配置されている。ホール間のつながりも良く、歩きには最適なルーティングである。シンプソンは自然の岩の露出の多くをそのまま残していて、景観美を高めている。ロングヒッターには少し短いと勘違いされるが、パー70、6640ヤードの戦略性が高いコースなので、プロでも十分にチャレンジなコースである。パー4は長短のミックスが良く、広いFWのホールでもピンまでのベストアングルにはFWの左右どちらかに打つように落し所が限定される。また打ち上げのパー4が多いのでより難しい。パー3では2番ホール以外は距離が長くないが全て手強く印象に残る。18ホール全て良いホールだが、7番から10番までの4連続のパー4と13番から16番の4ホールの連続は特に良い。今までプレーしたことのある他のコースとは一線を画す独特な雰囲気があり、味わい深いラウンドになるであろう。強いて雰囲気が似ているコースをあげれば、ヘザーは両コースともないが、アメリカのイーマンズホールC、日本の軽井沢GCあたりだろう。



12番、パー3


18番、パー5

蛙の形をした14番FWにある岩

スコアカード

 
1番 パー4 454ヤード

強い右ドッグレッグの距離のあるミドル。ティショットでは両サイドのヘザーが効いてくる。グリーンは縦に長く、真ん中が少し凹んでいて、左サイドは縦に細長いバンカーでガードされている。

 

1番 パー4 454ヤード(3)

1番 パー4 454ヤード(2)

1番 パー4 454ヤード(1)
 
2番 パー3 202ヤード

2番 パー3 202ヤード(2)

2番 パー3 202ヤード(1)
ヘザー越えで距離のあるショート。グリーンの左右はバンカーとヘザーで守られている。
 
4番 パー3 172ヤード

4番 パー3 172ヤード(2)

4番 パー3 172ヤード(1)
ンカーでガードされているチャーミングなショート。グリーンは急な左傾斜。
 
7番 パー4 432ヤード

7番 パー4 432ヤード(2)

7番 パー4 432ヤード(1)
強い左ドッグレッグの難しいミドル。ティショットはヘザーと岩が敷かれた少し盛り上がったラフ越えのセミブラインド。FWは右に急傾斜しているので、右サイドのラフに行きやすい。また、205ヤード先から緩やかな下り傾斜になる。グリーンは右にも(?)傾斜していて、左のガードバンカーに入れると寄せが難しい。また、グリーン前部はフォールス・フロント(偽りのグリーン面で急な下り傾斜)なので、確実にフラットな面までキャリーがなければ、FW方に転がって戻ってしまう。ゴルフマガジン2000年度(最新版)世界ベスト500ホールに選ばれている。
(ティショットの写真なし)
 
8番 パー4 431ヤード

8番 パー4 431ヤード
強い左ドッグレッグ。ティショットは打ち上げでFWの丘に打ち、230ヤードを越えると下り勾配になる。右サイドには2個のバンカーが戦略的に配されている。左サイドに打つと、セカンドで前方の木々がスタイミーになるグリーンを狙いづらい。バンカーはないが、グリーン面は左手前が高くなっている。
(ティショットの写真なし)
 
9番 パー4 371ヤード

9番 パー4 371ヤード(2)

9番 パー4 371ヤード(1)
やや右ドッグレッグの短めのミドル。高台のティグランドからの打ち下ろしのショットでは、右サイドのバンカーは210ヤードのキャリーで越えるが、左サイドの迫り出した木々が効いてくる。グリーンは砲台で少し左に傾斜していて、前左右の4個のバンカーでガードされている。
 
10番 パー4 420ヤード

10番 パー4 420ヤード
ストレートでグリーンに近づくにつれ狭くなるミドル。グリーンの前部はフォールス・フロントになり、左サイドは下りスロープのラフが配されている。バンカーが一つも無いが素晴らしホール。
(ティショットの写真なし)
 
12番 パー5 614ヤード

12番 パー5 614ヤード(1)
左右に木立が並ぶ、右ドッグレッグの長いロング。ティショットはヘザー越えでセカンドもFWを横切るヘザー越え。グリーンは左手前のマウンド、右サイドのヘザーとバンカーでガードされている。このホールはカイル・フィリップスによって50ヤード強オリジナルの場所の後方に新たなグリーンが造られたが、全く気が付かず90年前からそこにあるシンプソン作のグリーンに見える。
 

12番 パー5 614ヤード(4)

12番 パー5 614ヤード(3)

12番 パー5 614ヤード(2)
 
13番 パー3 141ヤード

13番グリーン

13番 パー3 141ヤード
木立に囲まれた美しいショート。グリーンは縦に細長い2段形状で、左に2個、右に1個のバンカーでガードされている。ティショットでは、ティグラウンドからすぐ前方に1本の大きな松の木があり、プレーヤーの球筋により、木の左から攻めるか、右から攻めるか、木を越えていくかの決断に迫られる。短いがユニークなホール。
 
14番 パー4 414ヤード

14番 パー4 414ヤード
ほぼストレートのミドル。グリーン手前のFWは急な右傾斜でグリーンも少し右に傾斜している。FWの真ん中には蛙の形をした自然の岩がある。
(ティショットの写真なし)
 
15番 パー4 446ヤード

15番 パー4 446ヤード(2)

15番 パー4 446ヤード(1)
左ドッグレッグのタフなミドル。ティショットは緩やかな打ち下ろしで、左コーナーのバンカーは215ヤードで越える。グリーンの左サイドにバンカー、右サイドにヘザーと木立が配されている。
 
16番 パー4 460ヤード

距離のあるストレートの難しいミドル。セカンドは少し打ち上げ。グリーン右サイドに1個のバンカー、左手前数ヤードのところにはブラインドの2個のバンカーが配されている。

 

16番 パー4 460ヤード(3)

16番 パー4 460ヤード(2)

16番 パー4 460ヤード(1)
 
17番 パー3 166ヤード

17番 パー3 166ヤード(2)

17番 パー3 166ヤード(1)
砲台グリーンで右サイドと手前は下りスロープになり、1個の大きなL字型のバンカーがグリーン手前と左サイドを守っている。受けグリーン。
 
余談
パリからほぼ北に1時間、シャルル・ド・ゴール空港から北に30分。プライベートクラブでメンバー同伴が必要で、ヨーロッパで最もプレーするのが難しいコースと言われている。メートル表示のコースなのでヤードに換算している。クラブハウスはイギリス風で居心地が良い。


ラウンジ


レストラン

ビュッフェランチ

トップ100ゴルフコース(top100golfcourses.com)の2020年度フランスでのベスト100コースで第1位、ヨーロッパ大陸でのベスト100コースで第1位。フランスには600ほど、ヨーロッパ大陸には3300ほどのゴルフコースがある。2020年度ゴルフマガジン誌の世界ベスト100ゴルフコースにて第41位に選ばれている。

トム・シンプソンはイギリス人だがフランスでも名コースを多く設計していて、2020年度フランスでのベスト100コースにランクインしているのは、フォンテーヌブローGCシャンティイGCアルドロGC・レ・パンコース、モルフォンテーヌGC・グラン・パルクールコース、モルフォンテーヌGC・ヴァリエールコース(9ホール)、バリエール・ドーヴィルGC、チベルタGC、リス・シャンティイGCの9コースある。



フォーシーズンズ・ジョルジュサンク


フォーシーズンズ・ジョルジュサンク

フォーシーズンズ・ジョルジュサンク


ル・サンク


ル・サンク

ル・サンク

プレー前日は記念日もあってフォーシーズンズ・ジョルジュサンクに泊まり、その中のレストラン、ル・サンクで食べた。ホテルも食事も最高だった。