ファンコート ホテル&カントリークラブ、リンクスコース
Fancourt Hotel & Country Club (Links Course)

コースデータ
所在地 南アフリカ、ウェスタン・ケープ
コース長 7579ヤード パー73
コースレート 78.9
プレー日 2020年2月26日
設計者 ゲーリー・プレーヤー
オープン 2000年
キャディ あり
ゴルフカート なし
評価
総合評価
5.35
コースレイアウト
5
難易度
6
グリーンコンディション
5
フェアウェイコンディション
6
造形美、景観
5
満足度
6

リンクス、モンタギュー、アウテニクアの3コースあり、リンクスコースが最も新しい。全く平らな敷地のかつての飛行場の跡地に、数百万立方メートルの新しい土を使い独自の砂丘を使った。砂丘は各ホールを分割するぐらいの高さがあり、ゴツゴツしたFW、随所に配したポットバンカー、ローカルの深いラフの草を植栽し、人工的なリンクスコースを造りだした。スコットランドとアイルランドの本物(Genuine)のリンクスではないが、古典的な見事なリンクスコースを再現している。このモダン(Modern)リンクスコースは、アメリカのニュージャージー州にある、同じく人工的に造られたバイヨンヌGCにコンセプトが似ている。どちらのコースも設計者の豊かな独創性から素晴らしいコースを生み出している。9ホールの後クラブハウスには戻らず、18ホールを1つの巧みにデザインされたルーティングでプレーする。壮大なアウテニクア山脈が海の代わりの劇的な借景の役割を果たして、起伏のある吹きさらしの地形と砂丘スタイルの風景が特徴になる。ブラインドショットもいくつかある。池を縁取る石壁、バンカーの枕木、綺麗な水連がこの緑豊かなコースをより一層視覚的に際立たせている。



1番ホールから望むアウテニクア山脈

3番ティからの景観

5番、パー5、サード地点


9番、パー5、セカンド地点

12番ホールからの景観

18番FWからの景観

18ホール全てが手強く印象的で、弱いホールが一つもない。世界クラスのホール多く、
2番の長い打ち下ろしのパー3、砂丘の頂上にグリーンが置かれたユニークな10番のパー4、砂丘越えの16番のパー5、FWにバンカーが散らばっている素晴らしい6番と14番の短いパー4などがある。パー73のコースでパー5が5つあり、そのうち3つは最後の6ホールにある。コースのメンテナンスも素晴らしく、FWは絨毯のように歩きやすい。とても長いチャンピオンシップコースで風の強い日は更に難しくなる。正しいティを選べばプレーヤーの技量が大いに試されるコースである。キャディ付きの歩きのプレーだけでカートは使えない。2003年度プレジデントカップ開催コース。2005年には南アフリカオープン、2012年には男子欧州ツアー、2005年に女子ワールドカップを主催して、なんとこの難コースで日本チーム(宮里藍と北田瑠衣)が優勝した。

スコアカード

 
1番 パー4 396ヤード

1番 パー4 396ヤード(2)

1番 パー4 396ヤード(1)
強い右ドッグレッグ。ティショットでは270ヤード先の右コーナーに大きなバンカーがあり、その左に打つべき。このバンカーまで届かなければ、セカンドはブラインドショットになる。グリーンは砲台で斜め横にとても長く、左手前にポットバンカー、右サイドにデユーンのマウンドが配されている。
 
2番 パー3 236ヤード

打ち下ろしの距離のあるショート。強い段差がある大きな2段グリーンで、グリーン周りに7個のバンカーが配されていて、特に左手前のポットバンカーが効いてくる。グリーンのアンジュレーションは激しく、違う面でのパットになると、3パットのリスクが高い。

 

2番 パー3 236ヤード(3)

2番 パー3 236ヤード(2)

2番 パー3 236ヤード(1)
 
3番 パー4 469ヤード

ストレートの難しいミドル。ティショットではFWは波打っている。ティショットでは左サイドからFWに食い込んでいるバンカーがロングヒッターに効いてくるが、アベレージヒッターにはFWは広い。大きなグリーンは横に長く、手前はバーン(小川)に面しているので、セカンドが難しい。グリーンは左サイドの2個のバンカーにもガードされている。

 

3番 パー4 469ヤード(3)

3番 パー4 469ヤード(2)

3番 パー4 469ヤード(1)
 
4番 パー4 494ヤード

4番 パー4 494ヤード(2)

4番 パー4 494ヤード(1)
アウテニクア山脈に向かって打つ、やや左ドッグレッグの長いミドル。ティショットでは左右に4個のポットバンカーが配されているがFWは広い。グリーンは受けていて左右はバンカーが配されているが、手前は開けているので転がしてグリーンに乗せることができる。
 
6番 パー4 341ヤード

6番 パー4 341ヤード(2)

6番 パー4 341ヤード(1)
ストレートの短いミドル。ティショットではグリーンまで落し所に散らばっている5個のポットバンカーが待ち受ける。グリーンはとても小さく砲台で、左サイドにバンカー、右サイドは急な下りスロープがある。
 
7番 パー4 476ヤード

7番 パー4 476ヤード(2)

7番 パー4 476ヤード(1)
やや右ドッグレッグのタフなミドル。ティショットではFWは広いが、FWの右側からはグリーン面が見えない。セカンドが難しく、グリーンは砲台で受けていて、周りをブッシュに囲まれ、右手前には池もある。グリーン手前のデューンのマウンドがグリーンの左サイドを隠している。
 
9番 パー5 609ヤード

左ドッグレッグの長いロング。ティショットでは左右のバンカーが効いてくる。セカンドも左右に配された3個のバンカーが効いてくる。グリーンのおよそ40ヤード手前をバーン(小川)が横切る。グリーンは砲台で2個のポットバンカーと右サイドの急な下りスロープで守られている。

 

9番 パー5 609ヤード(3)

9番 パー5 609ヤード(2)

9番 パー5 609ヤード(1)
 
10番 パー4 408ヤード

10番 パー4 408ヤード(2)

10番 パー4 408ヤード(1)
ほぼストレートのタフなミドル。FWはデコボコしていて波打っている。ティショットでは270ヤード付近先(前ティからは250ヤードと225ヤード先)にFWの左サイドに深いクロスバンカーがあり、このバンカーをどう避けるかがポイントになるが、このバンカーの手前からのセカンドはブラインドショットになる。グリーンはコースで一番高い所になるデューンの頂上に置かれ、グリーンは強い砲台で、強く受けている。グリーン周りは全て下りスロープになり、左右手前に深いバンカーも配されている。グリーンオーバーは禁物で、奥からの寄せは大変難しい。
 
12番 パー4 481ヤード

12番 パー4 481ヤード(2)

12番 パー4 481ヤード(1)
ほぼストレートの長くてとても難しいミドル。ティショットは池越えになり、左右はブッシュでFWはタイト。グリーンは段差が強い2段形状で、左右の大きなバンカーと左サイドの池でガードされている。グリーンは小さく、セカンドでの正確性と飛距離が要求されるホール。
 
13番 パー5 533ヤード

13番 パー5 533ヤード(1)
ストレートの短めのロング。ティショットはブッシュ越え。ティショット、セカンドともに左右のバンカーがFWに食い込んでいて、落し所が狭い。セカンドではグリーン・フロントの40ヤード手前にクロスバンカーが横たわり、それを越えていくか手前に刻むかの決断に迫られる。グリーンは砲台で横に長く、左右はバンカーで守られている。通常フォローの風が吹くの、中長距離ヒッターは2オン可能。グリーンの奥行きはあまりないので、グリーンオーバーには要注意で、奥からより手前からの寄せが簡単。

13番 パー5 533ヤード(4)

13番 パー5 533ヤード(3)

13番 パー5 533ヤード(2)
 
15番 パー4 477ヤード

15番 パー4 477ヤード(1)
強い左ドッグレッグのタフなミドル。ティショットではFWは波打っていて、左サイドにブッシュと湿地帯がある。グリーンは縦長の半島型で湿地帯に突き出ていて、手前の花道以外はウォーターハザードに囲まれている。グリーンの左サイドにポットバンカーがあり、グリーン上に大きなコブが施されている。

12番ティから見るグリーン

15番 パー4 477ヤード(3)

15番 パー4 477ヤード(2)
 
16番 パー5 584ヤード

16番 パー5 584ヤード(1)
FWがタイトなストレートホール。ティショットでは右サイドの245ヤード先に形状のニックネーム、棺桶バンカーがあり、その先の左右のバンカーが効いてくる。グリーンは強い砲台で右に傾斜していて、左手前と右サイドにバンカーが配され、深いラフに囲まれている。ロングヒッターは通常追い風ホールなので2オン可能だが、正確なショットでなければ、左右のラフにつかまりボールを探せないリスクがある。

棺桶バンカー

16番 パー5 584ヤード(3)

16番 パー5 584ヤード(2)
 
17番 パー3 186ヤード

17番 パー3 186ヤード(2)

17番 パー3 186ヤード(1)
チャレンジングなショート。グリーンはL字型で46ヤードも奥行きがあり、奥半分はとても狭く、手前と左サイドはバーン(小川)に面している。グリーンは縦に細長く、右サイドにはポットバンカーが配されている。
 
余談
ジョージ空港かほぼ北に11分、ケープタウン空港から東に4時間30分、ポートエリザベス空港から西に4時間。ビジターのプレーはファンコートホテルに宿泊すれば可能。メートル表示なので全てヤードに換算している。キャディのレベルは高く、ユニホームの背中にはプレーヤーの名前が印刷されている。

キャディ

キャディの背中

2003年のプレジデンツカップは、4日間のマッチを終え、同点となった国際選抜とアメリカ選抜は、プレーオフに突入した3ホール目、ホスト国の英雄アーニー・エルスと世界ナンバー1、タイガー・ウッズが奇跡的なパーパットを沈めたのは、すでに暗闇の中だった。両チームのキャプテン、ゲーリー・プレーヤーとジャック・ニクラスはそれぞれのチームの意見をまとめ、史上初の引き分けという結果に導いた。名勝負として語り継がれるドラマがこのリンクスコースで行われた。

ハーフウェイハウス(9ホール後)

ハーフウェイハウスでの軽食


クラブハウスのレストラン


トップ100ゴルフコース(top100golfcourses.com)の2021年度南アフリカベスト100コースで第2位。南アフリカには500ほどのゴルフコースがある。

ゲーリー・プレーヤー設計コースで、2021年度ベスト南アフリカベスト100コースにランクインしているのは、ブレア・アトールGE、デインファーンG&CE、ダーバンCC・ビーチウッドコース、エリンヴェールGC、ファンコートH&CC・リンクスコ―ス & モンタギューコース & アウテニクワコース、ゲーリー・プレーヤーCC、グース・バレーGE、レオパード・クリークCC、ロスト・シティGC、ミルヴェイルGE、プレトリアCC、ライムシフCC、ウースターGCなど15コースある。



ファンコートホテル

ファンコートホテル


ファンコートホテル


プレー前日はファンコースホテルに泊まり、デナーはホテル内のLa Cantinaで食べた。ホテルの部屋、レストランでの食事、リゾートの雰囲気の全てが良かった。ホテルから東に7分のジョージGCで午前中にプレーしてから、西に11分のファンコート・リンクスコースで午後にプレーした。リンクスコースとファンコートホテルは同じ敷地ながら車で6分離れていて、モンタギューなどの2コースとのクラブハウスも違う。

La Cantina

La Cantina

La Cantina