ショアエイカーズ
Shoreacres

コースデータ
所在地 アメリカ、イリノイ州
コース長 6729ヤード パー70
コースレート 72.9
プレー日 2019年6月9日
設計者 セス・レイナー
オープン 1921年
キャディ あり
ゴルフカート なし
評価
総合評価
5.45
コースレイアウト
6
難易度
#5
グリーンコンディション
5
フェアウェイコンディション
5
造形美、景観
5
満足度
6
注:通常メンバーのバックティはパー71、6327ヤードからのプレーで難易度は4となる。

ショアエーカーズはミシガン湖のすぐそばに位置し、クラシックで伝統的な設計をもつコースでセス・レイナーの大傑作の1つ。多くの自然のクリークと深い峡谷が点在するなだらかな敷地に、それらを縫うよう素晴らしいルーティングでレイアウトされている。峡谷は設計全体で巧みに使用され、さまざまな方法で多くのホールで組み込まれている。敷地内を蛇行する小川や溝も同様である。それらの中に2番メイデン、3番エデン、6番ピアリッツ、7番ダブルブラトー、8番エデン、10番ロード、11番ケープ、12番ショート、14番レダンなどのセスナーと彼の師匠C.B. マクドナルドの有名で典型的なホールデザイン(テンプレート)を組み込んでいるが、多くのレイナーのオリジナルのホールも同様に素晴らしい。10番から15番ホールの5ホールは、自然のハザードを巧みに使った世界クラスのホールの連続でプレーしてとても面白い。トム・ドークが1993年にグリーンのサイズを大きくして、その時から70年前のオリジナルの設計へ戻すいくつかの修復改造をした。



4番FWを蛇行する深い溝

上空から見る4番FWの溝

7番FWを横切る峡谷

魅力的な地形の良さに、天才レイナーの非常に優れた設計、ホールの多様性、特徴あるグリーン・コンプレックス(グリーンとバンカーを含めてのグリーン周りの形状と輪郭)が加わり、何度プレーしても飽きないコースになっている。6530ヤードの距離でパー71は現代のトーナメントコースと比べると間違いなく短いが、ほとんどのプレーヤーが望むチャレンジングなコースに仕上がっている。コースは多少起伏があるが、とても歩き易い。コースをホールの設計地としては劣ったミシガン湖沿いの土地に詰め込もうとするのではなく(景観は抜群に良いが)、湖岸から数百ヤード内陸にコースを構築することを選択することで、レイナーは可能な限り最高の戦略性を提供してくれる立地にコースを構築した。しかしながら、その後のコース設計家の何人が、身近な素晴らしい水辺の景色を犠牲にしてまで、誘惑に断ち切り、ゴルフコースのクオリティを高める努力を優先するだろうか。


11番グリーン手前の峡谷

13番FWの左サイドの峡谷

クラブハウス近くから望むミシガン湖

 
2番 パー4 358ヤード

2番 パー4 358ヤード(2)

2番 パー4 358ヤード(1)
ホール名:メイデン 左ドッグレッグの短いミドル。ティショットでは左サイドに3個、右サイドに2個のバンカーと、左にブッシュとクリーク、右に木立もありFWは狭い。横長のグリーンはFWからの延長で花道は広いが、左サイドと奥はクリークに面し、右サイドにバンカーが配されている。グリーンは受けていて、左右と奥はアンジュレーションが強い。メイデン(乙女)とはロイヤル・セントジョーンズの6番のパー3のグリーンから由来し、段差がある横に長い傾斜が強いグリーンでハザードに囲まれている。レイナーはパー3でよく使われるメイデン・グリーンをこのホールではパー4で使用した
 
3番 パー4 312ヤード

3番 パー4 312ヤード(2)

3番 パー4 312ヤード(1)
ホール名:レベン ストレートなのでロングヒッターは1オン可能な短いミドル。ティショットでは左サイドのバンカーが効いており、右サイドに打つと、セカンドで手前のマウンドによりグリーン面が見えない。グリーンは2段形状で左右と奥はバンカーでガードされていて、左のバンカーは小さく、右と奥のバンカーに入れると次のショットが難しい。レベンホールとは短めのミドルで、グリーンの左右手前にマウンドが配され、ティショットを刻むと通常セカンドはセミブラインドのショットになる。
 
5番 パー4 491ヤード

ストレートのとても距離があり難しいミドル。ティショットでは左サイドにOBライン、右サイドに木立がある。セカンドは峡谷越え。グリーンは2段形状で前部はフォールス・フロント(偽りのグリーンでその部分に乗っても急な下り傾斜でグリーンの外まで転がり戻る)になり、左サイドのOBゾーンは浅く、左手前の小さいバンカーと右サイドの深いバンカーでガードされている。

 

5番 パー4 491ヤード(3)

5番 パー4 491ヤード(2)

5番 パー4 491ヤード(1)
 
6番 パー3 214ヤード

ホール名:ピアリッツ ピアリッツ・グリーンは縦長の長方形で真ん中に深い溝が横切り、両サイドは4個のバンカーでガードされている。このホールでは80ヤードも奥行きがあるグリーン。ピンとは違う面にボールが止まると3パットのリスクが高くなる。

 

後方から見るグリーン

6番 パー3 214ヤード(1)

6番 パー3 214ヤード(1)
 
8番 パー3 196ヤード

ホール名:エデン 池越えの美しいショート。グリーンは砲台で左右と奥はバンカーでガードされている。エデンホールはセントアンドリュースのオールドコース11番ホールに由来し、設計者がミドルアイアンを使わせグリーンを狙わせる距離のショートのこと。プレーヤーのアイアンの技量を試すホール。

 

8番 パー3 196ヤード(3)

8番 パー3 196ヤード(2)

8番 パー3 196ヤード(1)
 
9番 パー4 388ヤード

9番 パー4 388ヤード(2)

9番 パー4 388ヤード(1)
ほぼストレートホール。ティショットで左サイドに2個のバンカーがあり、ロングヒッターは右サイドのバンカーも効いてくる。グリーンは18番ホールとの共有で、正方形で受けていて、左にバンカーがある。
 
10番 パー4 467ヤード

10番 パー4 467ヤード
ホール名:ロード 右ドッグレッグのタフなミドル。ティショットでは右サイドには浅い峡谷があり、OBゾーンも浅いが、ドッグレッグを果敢にチャレンジしてセカンド距離を短くして、FWの右半分に打つとセカンドでのグリーンへのアングルが良い。グリーンは右手前から左奥へ斜めに細長く、左手前にポットバンカー(ロード・バンカー)、右奥に斜めに細長いバンカーが配されている。グリーンはやや砲台で奥から手前に傾斜している。ロードホールはセントアンドリュースのオールドコース17番ホールに由来する。 
(ティショットの写真なし)
 
11番 パー4 371ヤード

右ドッグレッグの短めのミドル。ティショットは深い峡谷越えになり右サイドにも深い峡谷がありFWはタイト。セカンドは峡谷越えでグリーンは谷底から12メートル高い位置に置かれていて、グリーンを少しでもショートするとボールは谷底に消える。グリーンは大きくほぼ長方形で、左右と奥にバンカーが配されている。このホールはゴルフマガジン2000年度(最新版)世界ベスト500ホールに選ばれている。

 

11番 パー4 371ヤード(3)

11番 パー4 371ヤード(2)

11番 パー4 371ヤード(1)
 
12番 パー3 136ヤード

グリーン後方から見る12番ホール

12番 パー3 136ヤード
ホール名:ショート 名物ホール。美しく短いショートで、30メートルほどの高くそびえる木々に囲まれた谷底にあるグリーンへの打ち下ろし。距離は短いが高低差が大きいので距離感に悩む。グリーンが難しく、奥の面以外はバンカーで囲まれ、グリーン奥にクリークが流れる。ショートとは距離が短いが手強いパー3でパットの技量が要求されるホールで、通常グリーンはバンカーに囲まれている。レイナーの師匠C.B.マクドナルドが造ったナショナル・ゴルフ・リンクス・オブ・アメリカの6番ホールから直接インスピレーションを受けている。易しいが魅力的なホールで、豊かな自然の中でのプレー出来てとても楽しいホール。このホールもゴルフマガジン2000年度(最新版)世界ベスト500ホールに選ばれている。
(ティショットの写真なし)
 
13番 パー4 323ヤード

やや左ドッグレッグの短いミドル。ティショットは峡谷越え、少し打ち上げのブラインドショットでFWは見えなく、左サイドに深い峡谷がある。セカンドは峡谷越え。グリーンは大きくほぼ正方形で強く受けていて、手前は急な下りスロープのラフがある。グリーンの左サイドと右奥はバンカーでガードされている。

 

グリーンから見る13番ホール

13番 パー4 323ヤード(2)

13番 パー4 323ヤード(1)
 
14番 パー4 216ヤード

14番 パー4 216ヤード(2)

14番 パー4 216ヤード(1)
ホール名:レダン ティショットは峡谷越えのショート。長いグリーンは斜めに置かれ、右手前から左奥に急傾斜。グリーンの左と奥の面は一つの長いバンカーで囲まれ、右奥にもう一つのバンカーがあり、グリーンの左サイドは峡谷になる。レダンホールは世界で最も模倣されたグリーン・コンプレックスである。
 
15番 パー5 529ヤード

15番 パー5 529ヤード(1)
セスナーのオリジナル。強い左ドッグレッグのもう一つの名物ホール。ティショットではFWは広いが、左サイドに峡谷がある。セカンドは峡谷越えで、FWは3個のクロスバンカーが右手前から左奥に斜めに走り、落し所を左右に分けている。グリーン左右はバンカーで守られている。ティショットでドッグレッグをショートカットするFW左サイドに打てれば、ロングヒッターは2オン可能。攻略ルートがいくつもある名ホール。

15番 パー5 529ヤード(4)

15番 パー5 529ヤード(3)

15番 パー5 529ヤード(2)
 
16番 パー4 463ヤード

16番 パー4 463ヤード(2)

16番 パー4 463ヤード(1)
やや右ドッグレッグの距離がありタフなミドル。ティショットでは左右に木立が並び、左サイドに峡谷がある。セカンドはFWの深い窪地越え。グリーンは縦に長く、手前4分の3は受けていて、奥の4分の1は奥に下っているので、奥にピンが切られると難度が増す。グリーンは左右と奥のバンカーでガードされている。
 
18番 パー5 558ヤード

18番 パー5 558ヤード(2)

18番 パー5 558ヤード(1)
4番ホールと共有FWがある、左ドッグレッグのロング。左に4個、右に1個のバンカーがり、300ヤード地点にクロスバンカーがFWに横たわる。セカンド地点から美しいクラブハウスが見えてくる。グリーンはやや砲台で右手前の面はコブになり、左サイド、奥と右手前から右サイドを囲んでいる3つバンカーで守られている。

奥から見るグリ―ン

18番 パー5 558ヤード(4)

18番 パー5 558ヤード(2)
 
余談
シカゴ市から北に45分、シカゴ・オヘア空港から北に35分。プレーにはメンバー同伴が必要。有名な建築家のデイビット・アドラー作の見事なクラブハウスからだけがミシガン湖を見下ろせる。


キャディ

クラブハウス

ラウンジ


レストラン

レストラン

ランチ

トップ100ゴルフコース(top100golfcourses.com)の2020年度イリノイ州ベスト70コースで第2位、全米ベスト100コースでは第33位。イリノイ州には630ほどのゴルフコースがあり、全米では15500コースがある。2020年度のゴルフマガジンの世界100選では45位。

セス・レイナー設計での有名なコースは、フィッシャーズ・アイランド Cカマルゴ C、CCオブ・フェアフィールド、エセックス・カウンティCC、ショアエーカーズ、サニンングデール CCフォックスチャペル GCワイアラエCCイーマンズ・ホール Cマウンテン・レイク CCなどがあり、 チャールズ・B・マクドナルド共同設計ではシカゴGCザ・クリーククラブ、パイピングロック・クラブ、ザ・コース・アット・イエール、オールド・ホワイトTPCコース、バミューダ諸島のミッドオーシャン・クラブなどがある。



Econolodge South Holland

Econolodge South Holland

プレー前日はモーテルのEconolodge South Hollandに泊まった。コースまで北に1時間10分。夕食は車で南に5分のChili’s Grill & Barで食べた。


Chili’s Grill & Bar

Chili’s Grill & Bar

Chili’s Grill & Bar